いっぽ便り

長野県長野市の学習塾 寺子屋いっぽです。

ここを直さなくちゃあ、使い物にならない

 

10年以上前のことです。

私は宮本明恭先生の

夏期合宿に出ていました。

 

宮本先生は長年、

N響の首席を勤められた

フルーティストであり

国立音楽大学の名誉教授です。

 

そんな大先生の合宿へ

参加するのは

私にとって勇気のいることでした。

 

初日の開始時刻に遅刻し、

会場の入り口で

しばらくチュウチョしていたのを

今もはっきり覚えています。

 

もちろん、参加を

強制されていたわけではなく

参加したいという憧れが

強くありながらも、

いざ

その時に直面すると

圧に負けそうになり、

逃げ出したい衝動を

抑えられなかったのです。

 

これで帰ったら、

一生後悔すると思い、

意を決して、

中に入りました。

 

会場では

弧の字形で

全体合奏をされていました。

その中に入るのは

宮本先生、全ての生徒さんに

一目瞭然な訳ですから

何とも恥ずかしい限りでした。

 

そして、

個人レッスンの時の

宮本先生の

開口一番のお言葉が

強烈でした。

 

「あなた、

 ドの#が 高い。

 これを直さなくちゃあ

 使い物(者)に ならないなあ。」

 

実はド#が高いということは

普段レッスンを受けている先生からも

ご指摘いただいていたことです。

 

改めて、

宮本先生の、

「ここを直さなくちゃあ、

 使い物にならない」

というお言葉は、

今ここで、

しっかり自覚しないと

これから通用しないよと

言われているようで、

厳しいですが

温かいご指導と

身に染みました。

 

現在、修正されているか

おぼつかないところもありますが、

その時々、

意識するようになりました。

 

宮本明恭先生からは

一つ一つの具体的なご指導と

それを越えた

何か大きなものを

教えていただきました。